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13/11/21 AD-WX-01 OILED RESISTANCE JACKET, AD-WX-02 OILED BMC JACKET
再入荷の為告知していませんでしたが、
サイズが欠けていたAD-WX-01 OILED RESISTANCE JACKETが再入荷しました。ラベルが新しくなった以外は前回のものとほとんど同じです。
最初の発売時にオイルドコットンについて詳しく説明していますので、興味のある方はぜひご覧下さい。
http://addict-clothes.com/blog/aparerl-blog/oiled-jacket-aparerl-blog/2239/
http://addict-clothes.com/blog/aparerl-blog/oiled-jacket-aparerl-blog/2241/そして今週土曜日には冬仕様になったAD-WX-02 BMC JACKETが発売になります。
AD-WX-02 OILED BMC JACKET BLACK, OLIVE GREEN Size 36,38,40前回春夏シーズンでは元々の用途であるオーバーコートとして作るため、裏地はコットン素材でした。
私自身も自分用に1着作りシーズン中はほぼ毎日着ています。
春秋は主にバイク用のジャケットして、寒いこの時期にはライダースや他のアウターの上に着るオーバーコートとしてバイクでも電車に乗る時でも着ています。
バイク乗車時にはポケットが多くとても便利です。
首元や袖口の構造、二重前立てなどアナログなディティールと素材ですが、
色々なフィールドで着ることにより日常着としての防寒機能が優れていることを再確認しました。革と違い変化がわかりにくいコットン素材ですが、
機能服として常時着ていたのでいつの間にか良い感じに変化していました。引きで見ると良くわかりませんが、オイルド素材の為部分的にはかなり変わってきています。
今回の冬仕様のOILED BMC JACKETは身頃裏地には春夏と同じオリジナルコットンチェック生地にキルティングステッチをかけ、中綿を入れています。
袖裏地も綿入りナイロンキルティングになっており、更にLEATHER BMC JACKETと同じく、
着脱可能なメルトンベストが付属します。
今回は春夏のオーバーコートとは違い、冬の防寒用ジャケットして作成しました。
ベストを外せばレザーライダースと同じくらいに季節にちょうど良く、
ベストを付ければ真冬用のアウターとして活躍します。過去かなりの数のヴィンテージオイルドジャケットを販売し自分でも着用してきましたが、
NEW VINTAGEのオイルドコットンシリーズでは実際に長年使用してきた経験を生かし、
シルエットはもちろんオイルのベタつきを抑えるなど、これ以上することが無いくらい拘りました。
今では元々愛用していたVINTAGE JACKETよりもNEW VINTAGEのジャケットを着ています。
新品でVINTAGE STYLEのオイルドジャケットであればこれ以上良いものはないとお勧めできる仕上がりです。似たようなジャケットでもっと安価なものはたくさんありますが、うちのオイルドジャケットには細かい拘りが詰め込まれています。
例えばドットボタン1つとっても日本とヨーロッパでは規格が違う為、日本の物を使うとあまり雰囲気が出ません。
ボタンは輸入して更にメッキをかけ新品時での雰囲気はもちろん、着込んだ後の色の変化も想定しています。初期のオイルドジャケットに付く隠しファスナーです。
省略しても機能や見た目には問題はありませんが、やはりこれは付けたくなります。襟のバックルですが、これも既製品ではなかなかVINTAGE STYLEに合う良い形状のものがありません。
これもオリジナルで作成して良い形状のものができました。表地、裏地、ボタンなどの付属類等、少しずつ妥協してコストを下げれば同じ利益率でも安く売ることはできます。
ただしそれをVINTAGEを数え切れないほど扱ってきた私が着るかと聞かれれば完全に NO です。私は企画や工場に行く生産だけではなく、時間の許す限り店で仕事をするようにして接客もしています。
人を使って現場から離れるのは簡単で楽になりますが、たぶんずっとこのスタイルを続けると思います。
それは自分が経験して製品として形にしていることの熱をなるべく冷めないように届けたいからです。
パソコンの前で何時間もかけて製品説明を書いているのもその為です。自分では着るつもりのないものを作り、自分はその元ネタであるヴィンテージを着る、
ただビジネスだと割り切ればそれも普通のことかもしれませんが、
私は流行ではなく自給自足の意味で製品を作っています。
色んなことを妥協して自給自足のスタイルから外れるなら、
もはや”ヴィンテージ” というキーワードに拘って服を作る意味すらなくなります。
せっかくお金を出して作る、そしてみなさんに買っていただくわけですから、
私はいつでもその時点で自分にとっての最良ものを作り提案したいと思っています。もちろんオイルドジャケットだけではなく、レザージャケットやブーツにも書ききれないたくさんの拘りが詰まっています。
本来の用途や目的を理解できない、自分で物の価値を決められない、
そんな人がどんどん多くなっていく昨今ですが、こういう拘りを感じ取ってくれる方々を増やしていきたいですね。話がそれましたが、レザーに比べオイルドコットンは地味で目立たないジャンルですが、
うちのは本当にお勧めです。過去に見て、売って、使ってきた数が違います。
ましてやそのブランド、お店の代表が愛用している物が悪い訳がありませんよね?ちょっと偉そうな内容になりましたが、それだけ言えるように今後も良い製品、価値観を提案したいと思います。
それでは土曜日ぜひ実物をご覧になってください。ADDICT CLOTHES NEW VINTAGE
石嶋 聡 -
13/03/13 AD-WX-01 OILED RESISTANCE JACKET, AD-WX-02 OILED BMC JACKET
今日は昨日に引き続き、16日土曜日から発売するオイルドコットンジャケットのご紹介です。
ADDICT CLOTHES NEW VINTAGE AD-WX-01 OILED RESISTANSE JACKET
BLACK Size 36,38,4070年代中期から80年代にかけてイギリスで流行したパデッドスタイルのダブルライダースタイプです。
ハードになりがちなパデッドタイプですが、
コットン素材を使用し、アームホールや腕周りがかなりタイトシルエットの為解消されています。
このデザインのOLD VINTAGEジャケットも細くスタイリッシュなシルエットなのですが、
80年代の典型的な形である逆三角形シルエットで、いかり肩に見えてしまう点と、
腰の細い人でなければサイズが合いにくいのが難点でした。
以上の2点は上手く解消でき、とてもスタイリッシュでタイトシルエットですが着易いジャケットが出来ました。OLD VINTAGE同様、上襟だけでなく下襟の裏もコーデュロイになっているのが特徴です。
腰裏、内ポケット周り、袖口のマチはホースレザーを使用しています。
腰裏は着用で自然に擦れますので、ホースレザー特有のツヤが出てくるのが楽しみです。
裏地は身頃が綿入りのコットンチェックキルティング、袖が綿入りナイロンキルティングです。昨日の説明のとおり、オイルが抜けて程よい質感に変化したオイルドコットンをイメージしています。
部分的に軽くテカリが出たような加工を施しています。いろんな加工を試しましたが、わざとらしいワックスベタ塗りはリアリティーに欠け、
逆に加工をしないただのコットンジャケットでは物足りませんでした。
コットンも革と同じ天然素材です。加工はあくまでも味付けなので、
今後着用するにつれ、素材と加工の両方が良い変化をしていきます。※防水性を高めたい場合はご自身でオイルを入れていただいても構いません。
続いて4ポケットのこちら。
ADDICT CLOTHES NEW VINTAGE AD-WX-01 OILED BMC JACKET
BLACK, BEIGE Size 36,38,40オイルドコットンジャケットといえば、細かな違いはあっても誰もがイメージするのがこの4ポケットタイプです。
高めのスタンドカラーとボタンで調節可能なカフス、着丈の長さとウエストベルトの絞りによって風の進入を防ぐ、
まさに必然から生まれたジャケットです。ポケットが多いのも同じですね。
もちろんベルトは取り外し可能です。ディティールは昨シーズンシープスキンで発売したAD-10 BMC JACKETとほぼ同じです。
着丈は本来長めなのですが、
当時からイギリス人が着ていたことと、私達日本人が着ることを考慮して少しだけ短くしています。首元のバックルやボタンの質感や色もとても良く仕上がりました。
右胸ポケットには隠しジップがつきます。
裏地は身頃と袖共にコットンチェックです。こちらは綿は入っていません。
内ポケットにはオリジナルボタンが付きます。こちらにも所々テカリを出した加工が入ります。
どうしても黒が多くなる素材ですが、今回ベージュも作ってみました。
色が変わるだけで黒に比べスマートな感じがしてこれはこれで良いです。
ブーツも良いですが、きれいな靴で合わせてみたい色合いです。途中止めようかと思ったくらい難航しましたが、苦労した分良いジャケット達が完成しました。
個人的にはワッペンやバッヂでカスタムして遊ぼうと思います。
ADDICT CLOTHES NEW VINTAGE
石嶋 聡 -
13/03/10 OILED COTTON
今日は今シーズンからNEW VINTAGEで発売するオイルドジャケットの説明をしようと思います。
うちでは店を始めた時からOLD VINTAGEジャケットを販売しているので昔からゆかりのある素材ですが、
NEW VINTAGEでは初めて使用する素材です。
今や日常着となった革に比べ、オイルドコットンについてはよく知らない人も多いと思います。
まずは簡単に素材や歴史背景などの説明をしたいと思います。まず、オイルドコットンとは今から100年以上前にイギリスで誕生した素材です。
ナイロンなどのハイテク素材がまだ開発されておらず、革製品が今以上に高級品だった時代に、
高密度のコットンにオイルを染み込ませることによって防水、防風性を持たせた素材です。
元々海で働く人達用に作られたようですが、
後に防水&耐久性が認められイギリス軍にも供給されるようになりました。その後イギリスのモーターサイクルシーンの盛り上がりと共に、
4ポケットのオイルドコットン製ジャケットが長きに渡りレーサーに愛用されます。余談ですが、NEW VINTAGEのAD-01,AD-02デザインのシングル、
ダブルブレストのライダースは同時から数多くのブランドが発売していました。
そのデザインは50年以上経った今でも色褪せることなく数え切れない数の製品が発売されています。
このオイルドコットン製の4ポケットジャケットも、多少の違いはあれ、BELSTAFFやBARBOURをはじめ、
有名なブランドだけでもLEWIS LEATHERS,KETT,RIVETTS,MASCOT等
ほとんどのブランドがオイルドコットン、またはナイロン素材で発売していました。
日本では最近やっと認知され始めた気がしますが、
イギリスでは当時からとてもポピュラーなデザインだったわけです。そして第二次世界大戦後はジャケットのデザインが増えたこともあり、
狩猟が盛んなイギリスではハンティング、アウトドア全般のジャケットとしても使用されています。そして現在本国イギリスでは労働着とはしてはもちろん、まさに老若男女が、
アメリカや日本でも一部のコアなファンや感度の高い人達からファッションアイテムとして愛用しています。私自身も10年ほど前からいくつかのOLD VINTAGEジャケットを愛用しています。
これだけ長く多くのフィールドで使用されている素材、デザインなので当たり前ですが機能的で、
バイクに乗る際はもちろん、春秋の肌寒い時期にタウンユースとしてカバーオールのような感覚で着ています。
ゆったりしたサイジングのものであれば、ジャケットの上から着る、オーバーコートとしても使えます。
カジュアルに着られるのはもちろん、さすがイギリスで生まれた素材やデザイン、
形によってはかなりスマートに着用できます。OLD VINTAGEオイルドジャケットの表情にはいくつかの魅力があります。
1つはオイルが幾度も塗り重ねられ、
コーティングのようになったコットンジャケットとは思えない質感になったものです。
なんとも言えない雰囲気があり、レザーと見間違うようなものもありますが、
数十年の汚れと触るだけで手にオイルが残るのは日常生活では決して良いものではありません。
1人でバイクに乗る際は誰にも迷惑をかけませんが、
ファッションアイテムとして普段着るには電車や人が密集する公共の場では向きません。
そもそもイギリスよりも高温多湿の日本では、オイルを塗りたくったジャケットは適していません。
激しい雨よりも小雨の多いイギリスでは帽子やレインウェアで雨を防ぐことが可能ですが、
イギリスと違い雨が強く降る日本ではオイルを多く含んでいても雨を十分に防ぐことは出来ませんし、
そもそも顔や下半身が濡れてしまいます。私物のOLD VINTAGEジャケットは今まで着る頻度の多い、とても好きなジャケットでしたが、
車に乗ったり、電車通勤が増えたりした最近ではもっぱらバイク専用になっていました。
元々ギアであるOLD VINTAGEジャケットは独特のオーラがありますが、
時に着る場所や環境を選びます。そこでOLD VINTAGEジャケットではオイルが塗りたくられたものとは別の良い表情のジャケットがあります。
それは着用により自然にオイルが抜け、微妙に残っているか残っていないか、くらいの状態のジャケットです。
こればっかりはジャケットの歴代オーナーの使用状況によるので、限定して探すのは容易ではありませんが、
比較的コンディションの良いOLD VINTAGEジャケットはこの状態の場合があります。
臭いとオイルのべたつきもそれほどなく、生地の質感もただのコットンジャケットとは違った独特の状態です。今回は数あるOLD VINTAGE ジャケットの雰囲気の中から、この雰囲気を再現して、
タウンユースに十分耐えられ、バイクに乗る際も機能的で、
OLD VINTAGEの雰囲気にも負けないジャケットを目指し1年以上前から製作を始めました。
裏地や金具などの付属品のほとんどを既製品ではなくオリジナルで作成しました。
私自身が普段またはバイクに乗る際着るつもりなので、いつも以上に熱が入ります。現在日本でも良く耳にするイギリスの有名なオイルドコットン素材のメーカーがあります。
1STサンプル作成時にはこの生地を使用しました。
綿は生地の段階では革よりも差を感じるのが難しく、出来上がったサンプルはオイルのべたつきが激しいので、
洗いによって少し残す程度に落とす方法と、落としきってから加工を施す方法の2つを試しました。
悪くはありませんでしたが、そのサンプルは自分で着たいと思える出来ではありませんでした。
このメーカーの生地を使えばある程度上手くいくと思っていただけにショックでしたが、
エンジニアブーツ作成時同様、更に作り込む為に一からやり直しです。そしてその有名なオイルドコットン生地を使用するのは止めて、
イメージする製品に仕上がるよう、コットン生地自体を探しに探して2NDサンプルが出来上がりました。
生地自体は1STサンプルよりイメージに近いはずなのですが、
加工との相性が悪く出来上がったサンプルは1STと比べ全く前に進んでいませんでした。
興味の無い人が見たら1STと2NDサンプルの違いでは大きな差は感じられないかもしれませんが、
私がイメージするオイルの程よく抜けた、あのドライな質感には程遠かったです。
これは本当に難しい………..3RDサンプルでは更に生地を数種類、加工の方法も数種類試しました。
そして3RDサンプルでイメージする、あの質感と雰囲気を出すことが出来ました。これらは発売する製品ではなく今回作成したサンプルです。これ以外にもまだいくつかあります。
1つ2つのジャケットの為にこれだけ時間とサンプルを作っていたら完全に赤字ですが、
その分自分でも末永く着たいと思える良いジャケットが出来ました。実物の製品画像と共に詳しい紹介をしたいところですが、
既にかなり長くなってしまったので詳細はまた明日。ADDICT CLOTHES NEW VINTAGE
石嶋 聡